にせの遺言書事件 2
紙漉きのプロは、使用している原料繊維が何であるかを調べるために、試料のごく一部分を切取りました。
そして離解して、プレパラートを作り染色。
顕微鏡試験をしたところ、原料のパルプは漂白した広葉樹クラフトパルプが主体で、針葉樹クラフトパルプが含まれていました。
この紙に紫外線ランプを当てると強い螢光を発し、螢光増白剤を使用していることがわかりました。
漂白した広葉樹クラフトが日本で作られたのは戦後であり、螢光増白剤の使用も戦後になって、初めて使われたものです。
これらのことから、遺言書は戦後に製造された紙で作られたもので、戦争中に作られた物ではないと判断されました。
そして、この遺言書はにせ物であろうと鑑定したのです。
鑑定を依頼した弁護士がその後、この結果をどのように使用したかは聞いていないそうですが・・・。
紙を見分けるなんて、紙のプロだからこそなせるワザですね。


